2ミックス、各楽器の特殊な定位感の視覚化 ~『RADIO HEAD / I Might Be Wrong』~

2ミックス、各楽器の特殊な定位感の視覚化 ~『RADIO HEAD / I Might Be Wrong』~

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RADIO HEADの曲には”Everything In It’s Right Place”、“Idioteque”(共にアルバム『Kid A』収録)等でのヴォーカルのチャンネル振り分け等、面白いミックスが施された曲が時折あるが、この”I Might Be Wrong”(アルバム『Amnesiac』収録)における各楽器の定位感も一般的・スタンダードなミックスとは異なる面白いものだと個人的には感じた。

ヴォーカルや各楽器の定位感は、あくまでも素人の個人的な分析です。また、プロが使用するような高性能なヘッドフォンを使用している訳ではないので、所々に誤りがある可能性があります。あらかじめご了承ください。

 

『RADIO HEAD / I might be wrong』の全体の大まかな定位感

上記画像が、『RADIO HEAD / I might be wrong』 を聴いて自分が感じた各楽器の定位感を表したものになる。

Room AとRoom Bの2つの部屋があり(いや、そもそもRoom Aも無いのかもしれない。ただ、そうした方が説明しやすいのでヴォーカルやドラムが存在している空間をRoom Aとして区切った。)、Room A(メイン)の中にヴォーカルやドラム類等、大体の楽器が入っている。ヴォーカルやエレキギターのフィードバック音(?)、シンセサイザー、ハイハット等に関してはいたって普通の定位感だが、いくつかの楽器がRoom Aの外側で鳴っていたり、バスドラムやスネアの高低感が少し他とは違って感じられたり、”スタンダードなミックス”とは違う部分が多く存在する楽曲であった。

 

この『RADIO HEAD / I might be wrong』において、個人的に特に「面白い」と感じたのは、

  • リードエレキギターの定位
  • ベース(高音域、低音域それぞれ)の定位
  • バスドラム、スネアの定位

である。それぞれ詳しく見て行く。

 

 

エレキギター(E. Gt)

エレキギターに関しては、自分が聴いてしっかり認識できたのは、出だしの方からR chにかなり振り切った所で鳴っている1本と”1:23~”辺りからセンター付近で鳴り始める1本(こちらは、もしかしたらオーヴァードライブさせたベースの可能性もあるが、この記事ではエレキギターとして触れて行く)の計2本。

 

E. Gt 1

曲の初めの方から鳴っているリードエレキギター。R ch(右側) から鳴っているもの(上記画像、右側の赤丸)。

“R 100″で完全にRに振り切っているのか?もしくは、”R 90~99″くらいで完全には振り切っていないのか?はたまた、Rにダブルで重ねてある、と言う可能性もあるが、そこまで細かくは分らない。

イメージとしては、ヴォーカルやドラム等の音が鳴っている大きめの部屋(Room A)があり、そのRoom Aの右端手前側に小さい部屋(Room B)が更にくっついており、そのRoom Bの床にギターアンプが置かれていてそこから音が出ているような感覚。ギターアンプは斜めに若干外側を向いている。

音の色のイメージは焦げ茶色。

 

E. Gt 2

この曲では、2本目のエレキギター(先程も触れたようにオーヴァードライブさせたベースである可能性もあるが、)が途中(”1:23~”辺り)から入ってくる(上記画像、左側の赤丸)。

こちらに関してはさほど変わった事はしておらず、Room Aの比較的真ん中(センター)付近、ヴォーカルの若干下辺りで若干L側に傾いているように感じる。”L 10~30″とか、そのくらいかと思う。

 

 

ベース(Bass)

立体的視覚化〈-I Might Be Wrong-ミックス定位(Bass)〉

この曲では1分手前からベースが入ってくる。そして、同じタイミングで入ってくるので、おそらく「ベースの高音域の音か?」と思うのだが、フィルターのかかった音が高い位置で鳴っている。この音がベースの高音域だと言う前提で、ここで触れて行く。

 

低音域(Low)

ベースの低音域に関しては、Room Aの(全面)全体、四方八方から鳴っているような聴こえ方がする(画像、灰色部分)。と、峰時に一体どこから音が出ているのか?出どころが分らない聴こえ方でもある。

 

高音域(Hi)

ベースは、低音域と高音域で音の出どころが違って聴こえる。高音域の方は、Room Aの天井の外側、更に上の位置から聴こえる(画像、最上部黄色の半円部分)ようにも感じれば、ヘッドフォンをしている自分自身の頭頂部辺りから聴こえる感覚もある。イメージとして、Room Aの天井のさらに上に垂れさがっている白い布で覆われた向こう側から音が出ているような感覚。音の色のイメージは黄色。

 

 

ドラム(Drum)

バスドラム(BD)

まず、バスドラムは床付近ではなくRoom Aの宙(真ん中あたりの高さ)に浮いているような位置から音が聴こえる感覚。通常のスタンダードなミックスより、かなり高い位置になる。

 

スネア(SN)

そして、スネアがバスドラムの更に上。バスドラムとRoom Aの天井の間に位置しているような感覚。こちらも、通常のスタンダードなミックスよりもかなり高い位置になる。

 

スネア2(SN 2)

Lに寄った高めの位置で途中から2つ目のスネアが入って来る。”L 60~80″くらいか?

 

ハイハット

ハイハットに関しては特に変わった事はしておらず、Room AのL寄り、スネア2よりもセンター寄りの位置で高めに位置している。”L 40~50″くらいか?

 

 

???

立体的視覚化〈-I Might Be Wrong-ミックス定位(06)〉

“2:23~”辺りから入ってくるドラム類(パーカッション系)?の音か何の音か定かではなかった音。(上記画像の”???”)

位置的には、丁度(かなりRに振り切っていた)リードエレキギターと対をなすような関係性にも思える。こちらも、”L 100″で完全にLに振り切っているのか?もしくは、”L 90~99″くらいで完全には振り切っていないのか?はたまた、Lにダブルで重ねてある、と言う可能性もある。