2ミックスの特殊な定位感の視覚化(センターとR chに定位するヴォーカル) ~『RADIO HEAD / Idioteque』~

RADIO HEADの曲には”Everything In It’s Right Place”(アルバム『Kid A』収録)でのヴォーカルの左右チャンネルへの振り分けや“I Might Be Wrong”(アルバム『Amnesiac』収録)における各楽器の特殊な定位感等、面白いミックスが施された曲が時折あるが、この一”Idioteque”(アルバム『Kid A』収録)も一般的・スタンダードなミックスとは異なる面白いミックスが施されている。
ヴォーカルや各楽器の定位感は、あくまでも素人の個人的な分析です。また、プロが使用するような高性能なヘッドフォンを使用している訳ではないので、所々に誤りがある可能性があります。あらかじめご了承ください。
『RADIO HEAD / Idioteque』全体の大まかな定位感
上記画像が、『RADIO HEAD / Idioteque』 を聴いて自分が感じた各楽器の定位感を表したものになる。
まず、空間的には半円形のイメージ。画像中、右側と左側にそれぞれ”? 1″と”? 2″があるが、何の音なのか?著者の方では判断できなかったので、それぞれ”? 1″と”? 2″としておいた(”? 2″の方は、「スネアのピッチを変えたものか?」とも思える)。
細かい事を言えば、ここで挙げあれている以外にもエレキギターであったり、他の種類の音がいくつか楽曲中で鳴ってはいるが、ほんの一瞬であったり、また全てを画像の中に入れていくとごちゃごちゃして見にくくなってしまうので、画像中には割と主要な音だけを載せている。
この『RADIO HEAD / Idioteque』において、個人的に特に「面白い」と感じたのは、
- ヴォーカル(Vo.3)の定位
- ?1、?2の定位
- ハイハット(HH)の定位
である。それぞれ詳しく見て行く。
ヴォーカルの定位
この楽曲中では、少なくとも3本のヴォーカルが入っている。
メインヴォーカル、ヴォーカル 2(Vo Main & 2)
メインヴォーカルとメインヴォーカルの後ろで若干旋律をずらして歌っているヴォーカル2(”1:15~”辺りから入ってくる)が、両方センターに定位している。この2つの定位に関しては、特に変わった事は無い。
ヴォーカル 3(Vo 3)
この楽曲流では、”1:11~”辺りからR chにヴォーカルが入り始める(上記画像、右端の赤丸)。順番的には、ボーカル 2よりこちらの方が早く入り始めているように個人的には感じた。おそらく”R 100″に振り切っているかと思う。”? 1″よりも外側、半円形の空間の一番右端で鳴っている感覚。
センターとL ch、Rchの3点、左右対称になるような配置でヴォーカルを定位させている楽曲は世の中に数多くあるが、(例えば一例として、当サイトで記事にした宇多田ヒカルのAutomatic等の楽曲にしても左右対称、3か所にヴォーカルを定位させている)センターと片方のみのチャンネルに定位させている楽曲はあまり聴かない。
?1、?2
何の音か著者の方では判断できなかった音が、LとRにそれぞれ入っている(先程も触れたように、”? 2″の方は「スネアのピッチを変えたものか?」とも思える)。
?1
R chの”? 1″の方は”0:41~”辺りから入ってくる。ヴォーカル 3よりも内側(センター寄り)で鳴っているように聴こえる。
?2
もう一方、L chの”? 2″の方は”1:53~”辺りから入ってくる。L chの一番左端で鳴っているような感覚。
ハイハット(Hi Hat)
“3:56~”辺りから入ってくるハイハットは、かなりLに振り切っている。半円形の左端の方、”? 2″よりは内側(センター寄り)の若干高めの位置で鳴っている感覚。